理系凡人のつぶやき

科学に関することだけでなく興味があることについていろいろと書いていくつもりです。

研究室配属で注意すること ~心身ともに健康な研究生活を送るには~

こちらの記事を読んで以前からやろうと思っていた研究室配属について書くことにしました。それほどクローズアップされない話題ですが個人的には極めて重要なイベントであると思っています。なぜなら、最初に所属する研究室の文化や風土によってその人の研究に対する姿勢や考え方がかなり決まってくるからです。なによりもいわゆるブラック研究室に配属されると心身の健康が脅かされる恐れさえでてきます。この記事では自分の体験を踏まえて研究室配属で気を付けるべきことを書いていきたいと思います。

注:自分はこれまでに2つの研究室を経験し、分野は化学(実験系)でした。分野によって研究室のあり方がかなり異なってくるのでその点はご注意を。

  • 研究テーマにこだわりすぎない

 研究室をはじめて選ぶにあたって最重要視されがちな項目ですが注意が必要です。学部の講義で習った知識からでは実際に研究がどのように行われているのかを知ることは困難です。よほどのアレルギーを示す分野でなければ研究を進めていくうちに自分のテーマに愛着が湧いてくるものなのであまりにテーマにこだわるのはおすすめできません。研究テーマにこだわった挙句にブラックな研究室(教員)にあたってしまっては目も当てられません。さらに、提示された研究テーマで卒業(修了)まで指導してくれるかどうかも不透明です。というのは、研究室(指導教員)の方針によっては「研究を行うこと」よりも「論文の数を稼ぐこと」に重きを置いてる場合があり、このような研究室に配属されると最初に提示された(自分がやりたかった)テーマの実験結果いかんによってはあっさりと別のテーマに変更されてしまう可能性があります。テーマが変えられるくらいなら別の研究室へ行けばよかった・・なんてことにならないように気を付けましょう。(疑った見方をすれば、おいしそうなテーマで学生を「釣り」、釣った後は論文稼ぎのためのデータ製造マシーンとして使うという悪質な方法ともいえます。)

 

  • 研究室のHPを鵜呑みにしない

研究室のHPを見てわかることはせいぜいどんなテーマの研究を行っているか、メンバーは何人くらいいるかということぐらいです。行事の楽しそうな写真や笑顔の集合写真を載せているところも多いですが、はっきり言ってそれから実際の研究室の雰囲気を知ることは出来ません。

(私が所属した研究室の一つはブラックな研究室でしたがHPに載せる集合写真を撮った時に指導教員から「もっと楽しそうに写れよ」と言われたことがあります・・)

 

  • 教授だけでなく指導教員にも注意する

 研究室の雰囲気を推測する際、教授の人柄を参考にするかもしれませんがそれだけでは不十分です。なぜなら、実際に配属された学生を指導するのは准教授・助教の場合が多いからです。講義などでも目にする機会があまりないと思いますが准教授・助教についても調べておいた方がいいです。特に暴力的な言動(パワハラアカハラ)を日常的に行う人物である場合、研究どころではなくなるので絶対に避けましょう。

(具体的には、その日の機嫌によって怒鳴り散らしたりする、自分の間違いを認めない、過去のミスをほじくり返して長々と説教するなど)

 

自分の体験を踏まえて研究室を選ぶ際に気を付けるべきことを書いてみました。それでは実際にブラックな研究室を避けるために大事なことはなにかというと

その研究室の学生と実際に話をする

ということに尽きると思います。

なるべく周囲に教員がいない状況で率直な意見を聞きましょう。学生にとっての「良い研究室」と教員にとってのそれは異なります。学生として研究室に在籍する以上、学生目線での評価を大事にした方が充実した生活を送れると思います。どんなに魅力的な研究テーマであっても日常的にパワハラアカハラを受ける研究室だと研究どころではありませんし、心身に異常をきたす可能性が大です。研究は多かれ少なかれ「社会」のためにやるのであってその社会にはあなたやあなたを支えているご家族も含まれています。その研究のためにあなたが壊れてしまうのでは本末転倒です。研究室選びはぜひとも慎重に行い、有意義な研究生活を送ってください。