理系凡人のつぶやき

科学に関することだけでなく興味があることについていろいろと書いていくつもりです。

書評

「嘘と絶望の生命科学」を読んでみた 後編

前編、中編の続きです。 研究不正ー底なしの泥沼 実は小保方氏のSTAP細胞論文が騒動になりはじめたとき、バイオの科学者たちは、それほど驚かなかった。(中略)実はバイオ研究の論文は結構適当で、ときにウソが混じっていることは、バイオ研究者のあいだで…

「嘘と絶望の生命科学」を読んでみた 中編

前編からの続きです。 教授たちは、大学院生やポスドクの問題で大きな声をあげることはない。自分たちの学問の自由を侵すものには反対するのに、若手研究者たちの学問の自由を奪いながら研究している。 大学院生やポスドク、テクニカルスタッフなどのピペド…

「嘘と絶望の生命科学」を読んでみた 前編

「嘘と絶望の生命科学」(榎木英介著、文春新書)を少し前に読みました。筆者の榎木氏は他にも「博士漂流時代」や「医者ムラの真実」(どちらもディスカヴァー・トゥエンティワン)などの本を執筆されている病理医の方です。 嘘と絶望の生命科学 (文春新書 9…

「Publish or Perish」を読んでみた

山崎茂明さんの 『Publish or Perish 科学者の発表倫理』(みすず書房、2007年)を読んでみた。 Publish or Perish=(論文を)発表するか死ぬか という言葉は科学者以外の人たちにとってはあまり馴染みの無い言葉かもしれないが、現在の科学者が置かれ…