理系凡人のつぶやき

科学に関することだけでなく興味があることについていろいろと書いていくつもりです。

益川教授の理研批判

こんなニュースが入ってきました。

益川教授といえば2008年にノーベル物理学賞を受賞された物理学者で、理研の前理事長である野依良治氏と同じ名古屋大学の出身です。英語が全然できなかったりとなかなか強烈なキャラクターをされているので覚えている方も多いのではないでしょうか。その益川教授が京都産業大学で講義を行った際に学生から「科学者の倫理観」を問われ、理研の批判をしたようです。

益川教授は、STAP細胞の論文不正問題に触れ、「理化学研究所は、論文が予算獲得に使えると思い、宣伝した。それが間違い。だから、変なことが起こった」と理研を厳しく批判した。

「予算獲得」ももちろんあるでしょうが特定国立研究開発法人への指定を狙っていたのも大きな要因な気がします。この特定法人化はSTAP問題を受けて指定が見送られていましたが今国会で法案が提出されるようです(こちらのニュース)。

益川教授は、研究不正はなくならないが、必ず見破られるとの見方を示した。その上で「(STAP問題も)放っておけば自然淘汰されたのに、理研は元研究員がやったことを使えると考えた。政治的に利用しようとした」と述べた。

放っておけば自然淘汰されるのは確かなんですがそれまでに追試などで多くの労力が注ぎ込まれるのが問題です。論文の誤りがいわゆるHonest Error(誠実な誤り)であるのなら「いつか自然淘汰されるさ」という考えでもいいのでしょうが、STAP問題のような悪質な不正が絡んでくるとその考えは少しまずい気がします。やはり不正が起きないような予防策を講じていくことが一番大事でしょう。